安朋一実からのご挨拶(YouTube)
こんにちは。ラカン精神科学研究所の安朋一実です。 当研究所では、薬物や催眠、暗示を使わず対話による精神分析を行います。カウセリングとの違いは、精神分析は「無意識」を扱う事です。多くの方々は自分の無意識の存在に気付かず、日々を過ごし、様々な悩みを抱えておられます。 自分の無意識に気付き、書き換えて行けば自己実現への道が開かれます。 それは自己の尊厳に気付き、自分らしく幸せへの道を歩く事です。 自分自身、子どもさん、家族、親の事等に悩んでおられる方、ご相談ください連絡先はこちらです。 |
今週のメッセージ
親子は対等(平成23年4月13日)
親は子どもを自分の思い通りに動かしたい。
「何時に起きて、何を食べ、誰と遊び、いつ勉強するなど、日常の生活から進路や職業選択など、子どもの意志に沿いましょう」という。
養育する立場(親)と、養育される立場(子ども)は対等である。
養育する(親)が上ではない。
産んだ限りは、適切に世話し子どもの要求をきき養育するのが当たり前である。
恩は着せない事。
父親の役目(平成23年3月22日)
養育上、母親と共に父親の役割も大きい。
父は威厳を持ち、家族を引っ張って行く能力が必要である。
更に、構成力、指導力、知性、論理性などを持っていること。
父親は社会とつながっており、日常の生活の中で子どもと関わり、遊びなどを通して、子どもに社会のルールを教え社会性を育てる。
その父親を支える母親と仲が良いことも重要となる。
まずは自分を見つめる(平成23年3月11日)
親はどうしても自分の想いや価値を子どもに押し付ける。
子どものために良かれと思っていろいろ言うが、突き詰めれば親の不安から言ってはいないか。
私たち親が安心感を持っていなければ、子どもに伝えることも難しい。
子どもに何か問題が起きたとき、子どもを変えようとするのではなく、まず自分たち夫婦の関係や親とその親との関係など自分を見つめ振り返ってみる。
虐待と家庭内暴力(平成23年2月23日)
家庭内に一歩入れば密室であり、この中で虐待は起こりうる。
ニュース等で報道される事件は氷山の一角であって、心理的虐待を含め「オールOK」されない限り虐待といえる。
子ども達は親の言動に傷つけられて育つ。
しかし、親もまたその親に傷つけられて育った。
子どもが成長し、後に親子の立場が逆転し、家庭内暴力になることがある。
傷つけられた者(親)が、子どもを傷つけ、その子どもがまた親に報復する(=家庭内暴力)
この連鎖を止めることである。
親と子どものズレをなくす(平成23年2月7日)
親は「子どもを大切に育てた」と言う。
しかし子どもは、親が言うように大切にされたと感じられなかった。
子どもは親の言葉と、自分の感覚のどちらを採用すればいいのか迷う。
親が自分を「大切に育てた」と言うなら、それを信じたいだろう。
しかし、親がいくら子どものためにやったと言っても、子どもがして欲しい事とズレていたなら、それは子どもを大切にした事にはならないし、子どもも大切にされたとは感じられない。
だからこそ、子どもに言われた通りに動く「オールOK」で対応する。
宣照真理
過去の今週のメッセージは、宣照真理のセラピー日記と天海有輝のセラピー日記 分析家の独り言に掲載しています。
最新情報(子育て相談室の日程)・活動拠点
<最新情報>
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↑*「オールOK!子育て法」を基調にした子育て相談室の日程を紹介しています。
<活動拠点・サービスエリア>
<滋賀県大津市唐崎>
ラカン精神科学研究所の地元です。琵琶湖の畔で大変環境がよいところです。
JR唐崎駅から歩いて5分のところにあります。
<京都府京都市>
京都には25年住んでおりました。私にとって第二の故郷です。
日本有数の観光地で、古来の文化が堪能できます。
<大阪府大阪市>
JR大阪駅までは、唐崎から湖西線で京都へ15分、更に、
京都から大阪まで新快速で30分で着きます。梅田駅周辺で母親教室も開催します。
<兵庫県神戸市>
大学が親和女子大学(神戸市)でしたので、4年間お世話になりました。
お洒落な街で、友達と三宮へよく買い物にいきました。
<福岡県福岡市>
ご縁があり数名のクライアントさんがおられます。毎月4日間程出張しております。
トンコツラーメンやモツ鍋など、お気に入りです。娘には出張のたびに「からし高菜」を頼まれます。
是非、来年は博多祇園山笠を見たいと思っています。
<東京都>
毎年8月、分析者サミット(インテグレーターサミット)が那須(栃木県)で開催されます。
その際、東京のクライアントさんと直接面談セラピー(カウンセリング)をしています。
日ごろは電話(Skype)セラピー(カウンセリング)を実施しています。
<その他>
交通費を負担して頂ければ、全国どこへでも出張致します。^^
自己紹介&このサイトを作った経緯
<自己紹介>
はじめまして。安朋一実(やすともかずみ)と申します。私は二女の母であると同時に精神分析家として、薬や催眠をつかわず、対話療法で心の病を治療しています。現在は、ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市)を主宰。日々の活動はこちらのブログ天海有輝のセラピー日記、宣照真理のセラピー日記、精神分析家のセラピー日記でご紹介しています。
<私の母としての悩み>
15年前、私も皆さんと同様に子育てに悩む1人の主婦でした。当時は、上の娘が8歳、下の娘は5歳、私は35歳。
私は、母との関係が上手くいかず「自分の母のようにはなりたくない」と思いながら、2人の娘を育てていました。ところがある時、気が付いたら結局、自分は母と同じことを娘達にしている事に気が付いて愕然としました。子どもを優しく伸び伸びと育てたいと思いながら、「ああしなさい、こうしなさい」と命令指示し、子どもも私も疲れ果てていました。自分は、子どもの為と思い、一日中、口やかましく言っているのに、子どもの表情はけして明るくはない。自分で勝手にたてた予定通りに子どもが動かないと、「はやく」「はやく」と子どもをせかし、怒っていました。何かが違う、一体どうしたらいいのだろう...と悩んでいました。
そんな時、私の精神分析の師である大沢秀行氏(インテグレーター名 惟能創理氏)に出会いました。大沢先生に「子どもが何をするにも遅くて困ります」と相談したところ、先生は、私に「それは、あなたが後でね、という言葉で育てたからです」と言われました。事実その通りでした。我が家は当時、店をしていて、「お客さん」と呼ばれれば、子どもの事は放っておいて店に出る。子どもの事はいつも後回し。なんで見てもいないのにわかるのだろう?と思いました。

<オールOK!との出会い>
そんな大沢先生から、子どもへの対応法として私に指導されたのが「オールOK」です。
簡単に言うと「子どもの言う事に全てOKし、待った無しに言われた通りにすぐ動く事」・・・。
もし私が子どもなら、そうされれば嬉しい事はわかる。でも私には到底出来ない。なぜなら、私はそれとはまるで反対の育ち方をしたから。「やりたくても自分にはできないと思い」大沢先生との関係を断ちました。
しかし、それから半年間、私は、悩みながら図書館で育児書を読みあさりました。しかし結局、本にも大沢先生が言ったような事しか書いていない。やはりそれしかないのか...。意を決して大沢先生の元を尋ね、精神分析を受け始め、その2年後、精神分析の理論を学び始めました。
<今の私と娘達>
それから15年が経ちました。途中、上の娘は2年弱私と口をきかない事があったり、下の娘は中学の半分を不登校したりもしましたが、私と娘達との関係は、私が目指した様に、私と母との関係とは違うものになりました。^^

お蔭様で、上の娘は服飾関係の専門学校に学び、下の娘は成人式を迎え、私は精神分析家として独立開業10年目を迎えて忙しい日々を送っています。
精神分析家として、日々、お母さん方の子育ての悩みを聞く中で、私が大沢先生に教えを受けた子どもへの対応法を「オールOK!子育て法」として紹介したのがこのサイトです。
そもそも子どもとは、どう育つのか?どう育てるべきか?精神発達論からお話します。
それから、具体的な事例、実践方法や、子育て相談室(旧名称 母親教室)で、よく聞かれる質問やQ&Aもご紹介します。
もっと深く学びたい方の為に「子育て相談室」「分析理論講座」を開催しています。少しでも、子育てや、教育に悩んでおられるお母さんの力になりたいと思い滋賀県大津市唐崎、京阪神(京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市)や福岡県福岡市を拠点に活動しています。このサイトご覧になって興味・関心を持たれた方は是非ご連絡下さい。子ども達と一緒に幸福な人生を歩んでいきましょう。
平成20年4月28日
ラカン精神科学研究所の連絡先はこちらです。
精神分析家 安朋一実(やすともかずみ)
「オールOK!子育て法」とは?
<子育ての方法>
これまでいろいろな育児法、子育て法がちまたで言われてきました。
うつ伏せ寝がいいとか、抱き癖がつくのであまり抱かない方がいいとか、一人っ子は我がままになるから良くないとか、一姫二太郎がいいとか、戦争時代には産めよ増やせよとも言われました。
その時代によって、様々な事が言われましたが、結局これといった子育て法がなく、殆どのお母さん方はわからないまま迷いながら、手探りで子育てをされている様に思います。
事実、子どもがまだ赤ちゃんの頃、私もどうしていいのかわからず母に聞いたこともありましたが、「もう昔の事でわからない」と言われました。
私が精神分析を受けながら知ったオールOK!という子育て法は、精神発達論からみた理論的裏付けをもつ育児法です。
私自身も娘たちに実行し、また子育てに悩む親御さんたち(非行や家庭内暴力、不登園・不登校、ひきこもり等)に話し、実践してもらいその正しさを実感してきました。
何か子どもに問題があっても、親の元にいるなら、子どもがいくつになっても育てなおしはできます。
その方法がオールOK!です。
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子どもに何か問題が起きてからオールOK!するのではありません。生まれたその日から、いえ母親のお腹の中にいる時から子どもを想い配慮します。
小さい頃からオールOK!で育った子は、しっかりとした自我を形成し、主体性を持っていますから、何か困難なことにであったり、迷った時、自分で考え自分で最善の道を選択していきます。もちろん親や周りの人に相談することはあります。しかし最終的に決めるのは本人です。また好奇心旺盛で様々な事に興味を持ち、自ら動くエネルギーがあります。オールOK!され思いやりや配慮されているため、それをまた周りの人にすることができます。それは人から良く思われたいからではなく、自然に人のことを思いやる行為としてです。
子どもにとって思春期(早い子は小学校高学年から中学・高校生あたり)は子どもから大人になる過渡期であり、精神的にも不安定になる大変な時期です。この時期をある人は「疾風怒濤の中」と言ったり、また「気違いになる時期」と表現されることさえあります。不登校や非行など子どもの問題行動がこの時期に多いのもこの為です。子どもにとってこの大変な時期は、大きな荷物を背中にしょって険しい山道を延々と歩くようなものですから、出来るだけ楽に超えさせてあげたいものです。それを「これはだめ、あれもだめ、こうしなさい・・・」と親や大人たちがうるさく言うと、さらに子どもの負担は大きくなり、大人の世界への移行が上手く進みません。
どの時期に限らず子どもにオールOK!で対応し、親子の間に信頼や絆、親密感を築きましょう。この親との関係性をその他の人間関係に広げていく基礎をつくのですから。
親は子どもに水と栄養を与えるだけでいいのです。あちらの方向に枝を伸ばせとか、大きな葉を広げろとか、こう言う色の花を咲かせろとか、子どもにとっては大きなお世話です。世間の目を気にして枝葉を剪定するなんて親の「いいかっこしい」なのです。
母なる大地から水と栄養をもらい、世間から日光を当ててもらい、子どもは、芽をだし、葉を繁らし、大輪の花、または、小さな花を咲かせます。赤い花でないとダメなんて言われたら、出る芽も出なくなります。発芽せずに地中に埋まったままの(引きこもった)種も多いのではないでしょうか?たしかSMAPの歌にもあります。オンリーワンでいいのです。(2010年02月18日追記)
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<子どもを産む意味>

私が子どもを産んだ理由・・・精神分析を受ける前の私は、「子どもが好きだから子どもが欲しくて産んだ」と思っていたのですが、精神分析を受けわかったことは、自分の思い通りに動く子どもが欲しかったのでした。
それは、自分が母の思い通りに動かされた、主体性を持たない自分であった為で、自分の無意識は間違いなく、母が私にした通りの事を娘にしていたのです。私は、精神分析を受けて、初めてこの誤りに気付きました。
自分とその母の関係は、子どもと自分の関係に置き換えられます。私が子どもをどう見るか、そのまなざしは、かつて母が子どもであった私を見ていたまなざしと同じはずです。
女性にとって、子どもを産み育てる意味は2つあります。
- 育児を通して自分を振り返るため。我が子を世話し、育てながら、きっと自分の母もこうして自分を世話し育てたのだろうと、自分の育てられた過程を想像し、自分を知る手がかりとなる。
- 自分を理想的に育てなおす為。母は100%良い母ではないため、不適切であったり、人によっては子どもを叩いたりした。子どもとして傷ついたり、不満・欠如を持って生きてきた子ども時代の自分がいる。それを今度、自分の子どもを理想的に育てる。そうすることで、自分を理想的に育てなおすことにもなる。
関連記事:妊娠協定を結んだ米女子生徒
<オールOK!とは>
オールOK!ですから、子どもの言うこと、要求には全てOK!します。子どもに言われない事は基本的にしませんが、わからない事は聞きます。そして「ダメ」と言わないでください、と言います。すると大概の方が、「そんなに我がままにしていいのですか」と言われます。このことについては、後で説明していきます。
しかもこの後に、「敏速かつ適確」に「一貫」して対応する事、という事が付け加えられます。「後で」ではなく、できるだけ「今すぐに」要求に応えます。それも的確に。敏速さと適確さを欠くと「オールOK!」の意味が欠けます。
例えば、子どもが「ジュースが欲しい。ジュース取って」と言います。お母さんは、用事をしていると「後でね」と言いますが子どもは今欲しいのです。ですから、用事の手を止めてジュースを取ってあげます。
また、「ジュースは甘くて虫歯の原因になるため、お茶にしておきなさい」と言ったりします。これでは、適確さに欠けるわけです。子どもが「ジュース」と言ったら、ジュースを出す事が、適確な対応です。更によくあるのは、子どもが「取って」と言っているのに、「自分で取りなさい」と言うお母さんがいます。これも適確ではありません。「取って」と言っているのですから、取ってあげてください。
子どもの言った通りに親が動くことで、子どもは自分の言葉の信憑性・有効性と自信をもつことができます。
これが「オールOK!子育て法」の具体的例の一つです。
次のページでは、なぜ「オールOK!」が子育てに有用なのか?「精神発達論」を根拠に説明します。
精神発達論(理論的裏付け)

「オールOK!子育て法」のベースとして、「精神分析学」があります。精神分析はフロイト(オーストリアの精神科医)によって創始されました。フロイトは人の性的発達段階を説きました。ここでは、育児・子育て・教育的な側面から、少しだけ精神発達論に触れてみます。詳しい説明は関連ページにリンクを用意しました。興味のある方はご覧になって下さい。
<胎生期> 胎児

胎児の研究が進み、胎児は母親のお腹の中で、母の感情や母体の周りの状況をキャッチしていることがわかってきました。
胎内記憶は確かにある。あるクライアントの4歳になる女の子が、突然「お母さんのお腹の中で泣いていた」と言った。事実、お母さんは結婚しこの子を身ごもっていたが、夫の仕事が忙しく休日も仕事で家にはおらず、妻であるこのお母さんは寂しくて一人泣いていたという。女の子は、お母さんのお腹の中で、母の悲しい感情を感じていたのであろう。
一般的にも「胎教を考え、心の落ちつく音楽を聞きましょう」といわれるように、十月十日母親がどういう気持ちで、わが子を想い過ごすかは大変重要なのである。
残念ながら産まれる前から存在を否定されている子もいる。何らかの問題で来所されるお母さんに必ず聞くのは、「そのお子さんは、あなたが欲しくて産みましたか?望んで産みましたか?」という事。その時、多く聞かれるのは、「(例えば三番目の子で)もういらないと思っていたのに妊娠してしまい、堕そうかと思ったが仕方なく産んだ」というもの。最初に存在を否定された事実は、その子の意識上の記憶にはなくても、無意識下には全て記憶されている。そいう子が後に何らかの形(ひきこもり、非行、神経症等)で叫ばないわけがない。
例え胎生期でも、赤ちゃん(胎児)にとって「母からの承認」は不可欠なのです。まずお母さんが生まれて来る前の赤ちゃんを「OK!」して下さい。
いわゆる「できちゃった婚」は、親となる心構え・覚悟、子どもを産み育てる条件・環境が整っていない。それらをしっかり整えた上で妊娠することが望ましい。
関連リンク:分析家の独り言120(胎内環境・出産)
参考文献:胎児は見ている /T・バーニー緒 /祥伝社 NON BOOK
<口唇期(おおむね出生時から1.5歳まで)> 乳児: 1歳に満たない子供

精神分析学の創始者フロイト(が唱えた人間の発達段階の最初の段階。
この時期は、乳児にとって口と唇の刺激が心地よく、それにより快感を得ている。乳児には、しゃぶるという行為が「満足感」をもたらす。人間の発達において満たされる・・満足すると言う事は大変重要なキーワードであり、欲求が満たされないと種々の弊害を生む事になる。
この時期は、母親による授乳の時期と重なる。乳児にとって、「授乳」はただ単に生命を維持する為の栄養摂取という行為だけに留まらず、母がどういう気持ち、環境で授乳したかが重要になる。それには、わが子を愛おしいと思い、アイコンタクトを取りながらゆったりとした気持ちで授乳することである。クライアントの中には、テレビや本を見ながら授乳したという人もいる。これでは、子どもは満足しない。
乳児は、母による授乳が満足のいかないものであると、欠如感をもち、後に口や唇の刺激にこだわるようになる(口唇期固着)。それは後に飲酒・喫煙、薬物依存などの行為となる。
最近、有名女優の子どもが覚せい剤に走ったというニュースが世間を騒がせます。実母である女優が忙しさの余り、しっかりと愛情を込めて授乳をしなかった為ではないでしょうか?
子どもは、この時期母の適切な世話により「基本的信頼」を得る。それが得られないと、反対に「基本的不信、基底不安(いつも何をしても不安的感情)」を持つようになる。
「オールOK!」することは、子どもの自我を認めること、自己肯定感をつくること。まず母親に何でも受け入れてもらい、母との間に信頼関係を築くこと。それがなく否定され、拒否され、怒られ叩かれたのでは、恐くて人と関係を結べない。この基本的信頼を築くのが、口唇期の時期です。
関連リンク:分析家の独り言121(分析理論講座・口唇期より)
<肛門期(おおむね2歳から4歳頃まで)> 幼児期(前期)

「三つ子の魂百まで」というように、人間の基本的精神構造は3歳までにかなりの部分が出来上がる。この時期母親がしっかり抱いて、愛情もって世話することが大事である。
この時期、離乳と共にトイレット・トレーニングが始まる。これまで乳児は好きな時に、好きなところでオムツの中に大・小便をしていられた。ところがトイレット・トレーニングにより、母との権力闘争が始まる。母の言うことを聞けば誉められるが、逆らえば叱責される。どちらを選ぶかを決めなければならない。これが人間にとって最初に求められる「自律性」である。
この時に、母があまりに厳しく叱ったり、潔癖で常にオムツの中をチェックしたり、または過剰にだらしなくて、オムツがいつまでも濡れていても換えなかったりすると、子どもは、「肛門期性格=マルバツ式性格(オールオアナッシング)」となる。
肛門期性格は、世界をマルバツ式に2分化する。対立するテーマを統合できず、極端な一面しか表現できない偏執的行動化へといたる。例えば、支配と服従、不潔と清潔、勝ちと負け、などである。
更に、両親の処罰恐怖から、課題を間違えないように何度も繰り返す「強迫性格」と、それに拘る「執着性格」に支配される様になる。
母との「分離・独立」を目指しつつ、母への再接近を試み、母に呑み込まれるでもなく、見捨てられるでもない、母との程よい距離や関係を反抗という形で再構築するのが、肛門期の適切な心の発達である。
お母さんは、母性を発揮し、母港、母星となって、子どもが程よい距離や関係を構築できるように、いつでも子どもを迎え入れ「オールOK!」してください。
関連リンク:分析家の独り言123(無意識を知る1)
関連リンク:分析家の独り言125(オールOKが子どものエネルギーとなる)
関連リンク:分析家の独り言131(人は誤解からはじまる)
<エディプス期(男根期)(おおむね4歳から7歳頃まで)> 幼児期(後期)

これまで、性別の違いによる発達の性差は殆ど無かったが、この時期から性差がはっきりとしてくる。まず子どもに「ペニスがついている」「ついていない」が意識される。
男児は、父を亡き者にして母と結婚したいと願う。しかしこの想いを父が知って、処罰されるのではないかという不安=「去勢不安」や、罪意識を抱く。この異性の親への愛着と同姓への親への敵意・競争心を中心に発達する観念複合体を「エディプス・コンプレックス」という。
正常な発達の場合は、男児は父に同一化し、男性としての自己を確立する道を歩む。
女児は、力の象徴であるペニスが自分にはついていないことにがっかりし、父に欠けているペニスをつけてもらいたいと思うと同時に、父に強い憧れと羨望を抱く(ペニス羨望)。男児の去勢不安とは対照的に、女児はペニスを持たない母に失望し、ペニスを持たない自分を生んだことに怒りを感じる。そして、愛着対象が母から父に移行する。
女児の母は、女児が愛着を感じる父に愛される存在であれば、女児はペニス羨望を放棄して、母に同一化し、その女性性を獲得する道を歩む。
<潜伏期(学童期)(おおむね6歳から13歳頃まで)> 小学生

精神的には比較的平穏な時期で、就学を通して勤勉さを身につける。それに失敗すると劣等感を抱いてしまう。この時期「オールOK!」することで子どもらしさ(甘え、活発、言いたいことを言うなど)を発展していく。
子どもへの否定・拒否が多いと、親の顔色をうかがいながら良い子を演じていく。その歪みと無理が青年期になって一気に噴出し親や周りを困らせる行動をとる。それもとらなければ、さらに先送りとなり、生きにくさを感じ、楽しめないと訴え、分析を受けに来るクライアントは多い。
関連リンク:分析家の独り言124(決められないあるひきこもりの青年)
<青年期(12歳以降)> 中学生以降

潜伏期は泥水の入ったビーカーを静かに置いてくと、泥が底に沈み、上澄みは透明な水になるような状態。12歳以降の青年期、思春期は、その泥水をかくはんした状態で、体の変化とともに、まだ子どもでいたい気持ちと、大人の世界へ行きたい気持ちの間で揺れ動く。これまで大人の言うことを比較的素直に聞いていたが、このまま自分は親や大人のいう事を聞いていて大人になれるのだろうか?とか、おぼろげながら自分の将来を展望し始め様々なことを考える。これこそが「思春期」であり、自我の確立、アイデンティティ(自己同一性)確立の時期である。
この時期、自室にこもってあれこれ考えることも大事で、そこに親がああだこうだ口を出すと、ゆっくり考えられない。親とも距離をとり始め、口を開けば「ご飯」「お金」「お風呂」「寝る」くらいのことしか言わず、母親は子どもに言われたことを正確に聞き、家政婦のごとく身の回りの世話をすること。子ども時代には絶対的存在であった親を乗り越えていくため、親を馬鹿にし、反抗し、「くそババア、死ね」くらいのことは言う。これが正常な発達のサインである。いつまでも偉大な親であり続けたのでは、子どもは成長できないので、特に母親は子どもの成長のための踏み台となってやる。そのために「オールOK!」していくのである。
<オールOK!のまとめ>
子育て相談室で学んでいるお母さん達も、教室にきて質問し、説明を聞くと、「ああそうだ。またオールOK!しよう」と思うが、いざまた子どもを目の前にすると、できる時とできない時があり、迷いだすという。頭ではわかるができない。それはお母さん自身の養育体験上、オールOK!してもらいたかったが、してもらっていないため、無意識に子どもの要求をはずしてしまうのである。
事実私も、意識では子どもに「オールOK!」しようとしても、どうしてもできなくて、そのことにまた落ち込むことが多々あった。
しかし、めげずに、オールOK!を続けると、子どもは満足して自立していく。「こんな私に親はここまでしてくれた、申し訳ないと」感謝の気持ちを持つ。親も散々子どもに振り回され、世話したため、子どもの自立を心から喜べる。そうでない場合は、子どもが自分たち親を見捨てて出て行くように感じ、親は無意識に子どもの自立を引き止めてしまう言動をとる。これは所謂、子離れしない親であり子どもの自立を阻んでしまう。子どもも自立し、親も自立する。これがあるべき姿の親子関係である。
<オールOK!がもたらすもの>2009年05月24日追記
オールOK!で育てると、親は子どもがわがままになって一生子どもから要求し続けられるのではないかと思う人が多いが、子どもは自信・自尊心・有力感をもって自立して生きていくようになる。充分甘えと依存を受けいられ満足すると、今度は自分の力を試したくなる。
いつまでも人(親)に頼って何かをしてもらったり、買ってもらうより、今度は自分の力で何かをしたり、買いたくなる。自分でできることが喜びとなり、自分でできることを広げていこうとする。人に頼ってしてもらうという受身性から、自らが自らの意思で考え行動するという能動性へと変わっていく。これが自立へと拍車をかける。
卒業し働くようになると、実家を出て一人暮らしを始めるのもそれである。食事・洗濯などの身の回りのことを親に頼っていたが、自分で稼ぎ、自分で自分のことはやっていく。そしてその先、配偶者を得て自分の家庭を持つに至る。そうして、与えられる人から、与える人=親になっていくのである。これが正常な、しかし当たり前のプロセスである。
ところが昨今、ひきこもり・ニート、パラサイトといわれる人たちが増えている。これらについて世間では様々語られているが、分析における精神発達論や、オールOK!子育て法以外に、その対処法を明確に語ったものに出会ったことがない。
さらにオールOK!がもたらすものは、子どもの成長と共に、親が成長することである。はじめはできることならしたくはないと思いながら子どもにオールOK!していく。はじめからうまくできるわけではなく、「ダメ」といってはいけないと思いながら、「ダメ」の言葉が飛び出す。言葉は止められても、顔や態度が「ダメ」を表す。それを一生懸命抑え、できるだけ子どもの言葉・語りをきくようにする。そうするうち、なぜ私は「ダメ」と言いたくなったり、腹が立ったり、嫌だと思うのだろうと考え出す。自分の養育史を振り返り、自分と向き合い、与えられたことと与えられなかったこと、自分に足りないものを知っていく。
子どもにオールOK!するとわがままになるのではないかと言う人には、その人自身が育ってくる過程で、親に言いたいことが言えず、我慢することがいいことだと刷り込まれ、欲求を出さないで来た。そのためにもし自分がオールOK!されたなら、抑圧しあきらめた様々な欲求が溢れ出し、止まらないのではないかという恐怖がある。欲求が溢れ出て、それに呑み込まれてしまうのではないかと恐れるほどに抑えてきたということだ。
それらがしっかり意識されると、親は親で足りないものを取り返そうとする。子ども時代のままではなく、今の自分の年齢・立場で置き換えたもので。親自身が子ども時代我慢しあきらめた、その固着から離れ、止まっていた精神の時計が動き出す。これが親の成長である。そして、与えられて喜ぶ子どもの顔をみてイライラするのではなく、子どもに与えられたことを喜べるようになる。子どものことが理解でき、子どもとよい関係を築いていける。
<参考ブログ>
分析家の独り言 221 (甘えと依存:子どものやる気を育てる)
分析家の独り言 220 (オールOKの末に見えたもの:その2「人間と何か」)
次のページでは、「オールOK!子育て法」のよくある質問(子育てQ&A)を紹介します。
よくある質問(子育てQ&A)
お母さんからのよくある質問と回答集です。随時追加してまいります。
Q1.オールOKすると、子どもが我がままになりませんか?(実践方法)
「オールOK!」するとわがままになるのではないかといわれるが、子どもがわがままでないことが問題である。わがままでないため、自分の本当の気持ちを言わない、言えない。それは子どもが親の顔色を見て配慮している。これでは親子の立場が逆転していて、親が子どもに甘えていることになり、子どもの心は育たない。「オールOK!」をすることで、子どもが安心して親のふところに飛び込める環境をつくるのである。これを言ったらまた何か言われるんじゃないか、どうせだめと言われるだろうと思ってしまった子は、親に反抗しない、言われるままに動くおとなしい、いい子になってしまう。これを世間一般で「良い子」という。大人や親にとって扱いやすい、都合の良い子である。自分というもの、主体性を持てないで育った子が、後に不登校や、ひきこもりとなったり、生きにくさを感じたり、様々な精神病理をあらわすようになる。
・Q1-1 オールOKという事ですが、どこまでOKなのでしょうか?子どもが夜遊びして帰宅しない。
・Q1-2 オールOKという事ですが、いつまでOKするのでしょうか?子ども(中卒)の非行で悩む。
・Q1-3 親がNGを出してしまい、子どもの欲求が満たされないとどうなるの?福岡での母親教室より。
・Q1-4 オールOKやればいいと思うのですが、実際にやろうとすると出来ません。分析家の独り言より。
・Q1-5 子どもがオヤツばかり食べたがります。OKしていいのでしょうか?分析家の独り言より。
・Q1-6 お金がかかる要求にもオールOKしていいのでしょうか?分析家の独り言より。
・Q1-7 Q1-6への質問&回答。分析家の独り言より。
Q2.私は子どもに「オールOK!」をやってみたいのですが、夫が認めません。私だけでも「オールOK!」したほうがいいのでしょうか?(家庭環境)
両親そろって「オールOK!」するのがベストですが、とにかくお母さんだけでも「オールOK!」してください。盾となって母親が子どもを守りながら、ご主人との調整をはかってください。私は、そういう場合、可能であれば両親そろって来所してもらい、ご主人に説明し、「オールOK!」を理解して、協力してもらうようにしています。
・Q2-1 詳しいことはこちらを参照してください(過去の詳しい回答例です)。
・Q2-2 オールOK!してくれた父 分析家の独り言118 より
Q3.子どもから「暴走族に入りたい」「バイクを盗んだ」と聞かされました。そんな時でも子どもの話を穏やかに聞いていいのでしょうか?(子どもとのコミュニケーションについて)
もちろん穏やかに聞いてください。慌てふためいて、子どもを責めたりしない事です。子どもはそれを言うことによって、親の反応を見ているのです。しかし、もちろんして良いことと、悪いことはあります。
なぜ暴走族に入りたいのか、バイクを盗んでまで乗りたいのかを聞いてみてください。
子どもは、聞いても、素直に答えないとは思いますが、子どもの言う事を、頭から否定するのではなくまず聞いて下さい。それは、子どもに「子どもの気持ちを理解したい」と思っていることを伝えるためです。
そして、お母さんとしては、あなたの体が心配だから、暴走したり、バイクを盗むことはやめて欲しいと伝えれればいいと思います。
親業(トーマス・ゴードン)の考えの中に「私メッセージ」というのがあります。
この場合、「貴方は○○をしてはいけません」という表現ではなく、「私は○○して欲しくない」というように、「私」を主語にして話すというものです。これは命令形にならず、お母さんの思いを伝えるので、子どもの心に届きやすいと思います。思春期に荒れている子どもたちは、命令されること、上からものを言われることをいやがります。
・Q3-1 不登校の子どもが「することがない」と言って泣く(母親教室より:育てなおし)
・Q3-2 食事の時はテレビを消して(分析家の独り言より:家族団欒)
Q4.子どもの部屋が汚くて、「片付けなさい」といっても聞きません。どうしたらいいでしょう?(子ども部屋=子どもの精神内界)
まず第一に、子どもに無断で部屋に入ってはいけません。部屋はその子の精神内界ですから、そこに土足で踏み込むようなことになるからです。
よくあるのは、部屋が汚いから子どもが居ない間に勝手に掃除をするお母さんです。必ず子どもに聞いて了解を得てから部屋に入る、掃除をすること。当然、子どもが「入らないで」と言ったら、入ってはいけません。
部屋が片付かないということは、その子の心の中が整理がつかず、混沌としているということです。思春期は皆そうです。それを無理やり片付けさせたり、親が片付けても意味がありません。心が穏やかになってくれば、自然と部屋は片付いてきます。それを待ちましょう。
・Q4-1 子ども部屋は自我を育む為に必要
・Q4-2 関連記事紹介:勝手に部屋に入られ引きこもりの息子激怒。父を撲殺
Q5.世間を騒がす大事件、あの事件の容疑者は育てられ方に問題があったのでしょうか?(精神発達論)
・Q5-1 福島17歳母親殺害事件
・Q5-2 京田辺市16歳二女、警察官の父殺害事件
・Q5-3 今話題の沢尻エリカさん
・Q5-4 亀田家の問題について
・Q5-5 三田圭子さんの次男覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕
・Q5-6 守屋前次官夫婦で逮捕
・Q5-7 長崎県佐世保市、散弾銃乱射事件
・Q5-8 八戸18歳母子殺害事件
・Q5-9 親族2人強殺 松村被告
・Q5-10 秋葉原通り魔事件
・Q5-11 秋葉原通り魔事件(その2)金谷氏今月のメッセージ平成20年6月より
オールOK!子育て事例
<事例その1 子どもの非行> 中学の途中から荒れだした息子
悪い仲間とつるんでお金を持ち出す。その額が半端ではなく、月に100万を越えることもあった。そのお母さん(文中以下Aさんと称)と、親と子の教育センターで開かれる「子の非行に悩む親たちの会」で出会った。当研究所で開いている「子育て相談室」を紹介し、よければ来てみませんかと声をかけた。
最初にAさんと話をしたとき、私は「息子さんは普通分娩でしたか?」と、息子さんの出産時の状況を聞いた。Aさんは「早産で、難産でした」と答えられた。私はやっぱりと思った。ちょうど理論を学んでいた頃で、母体の心の状態が安定していればそれは普通分娩に集約される。何か出産時に問題があったと言う事は、母体の心がストレスのまにまにあった可能性が考えられる。(事実後から聞くと、Aさんは妊娠中出産後も仕事が頭から離れなかったとの事)その時から既に、子どもは傷付いている。それが後に何らかの形で、行動で出てくることがある。後から聞くと、Aさんは「こっちは大変な毎日を過ごしているのに、普通分娩かどうかなど何の関係があるの?」と思われたらしい。
その後、Aさんは子育て相談室に通い、「オールOK!子育て法」を学び実践し、見事3年を過ぎる頃から、Aさんの息子さんは悪い仲間との関係を絶っていった。今は夫として、父として、もちろん社会人として立派にやっておられる。
Aさんいわく、「私は今2度目の人生を生きている」「人は生きなおせるんですね」と言われた。
<事例その2 引きこもり> 高校中退から引きこもりへ
お母さん(文中以下Bさんと称)からの依頼を受けて20代男性のお宅へ伺った。
Bさんの息子さんは、私が話しかけても、虫の鳴くような声で「はい」と「いいえ」を言う位で会話が成立しない状態だった。殆ど家から出る事はなく、いわゆる「引きこもり」の状態。
なぜ、この様な状態になったのかと言うと、Bさんが全く息子さんに関わっておらず、ほったらかし状態の為。小中学校はなんとか通ったものの高校中退。引きこもり状態に入る。
ただ、歯科医院にだけは通院していた。その歯医者での治療も終わり外に出る機会がなくなった時、Bさんは息子に、「せめて分析を受けるために当研究所へ出向くようにしてはどうか」と言われた。当然私は本人の意思を確かめた。「来られますか?」と。しかし本人は「外出したくない」と言う。私はBさんに「オールOK!子育て法」を話し、「彼が行くと言うのならそれはいいが、出たくないと言っているのですから、まだ無理はしないでおきましょう。本人が出たいと思うようになったら、行くなと言っても出て行きますから」と言った。
それから、私は、精神分析家(カウンセラー)として月に数回、Bさん宅に伺い、息子さんに対して辛抱強く対話療法を施した。息子さんは、私が関心を向けるのが嬉しいらしく、徐々に私との会話が出来る様になった。つまり。私は実母Bさんの代わりに母になり息子さんに「オールOK!子育て法」を実践したという事です。
それから2年が経ち、Bさんの息子さんは、音楽関係の教室2つと、スポーツジムに通うまでになった。無理をさせないで、本人の意思を尊重し、彼のペースに合わせていく、これももちろん「オールOK!」の一つである。
<事例その3 夜尿の5歳男子> 夜尿症
両親の第1子として生まれ、可愛がられたが、夜尿がひどく止まらなかった。
これは、反抗のサインであることを母に告げてオール OK=すなわち『言われたことを、言われたとおりに、敏速・適確に行う』ように対応を指示した。子どもの要求は、おもちゃ、お菓子だけでなく、一緒に遊んでくれることもその一つである。その対応に最初は戸惑い、苦慮したが、次第に慣れて、いつしか母は子どもの要求どおりに対応できるようになっていた。その頃、子どもの夜尿は月に1度ほどに減っていた。
<事例その4 不登校の15歳女子> 不登校
彼女は高校に入ってから、友達関係を理由に学校に行かなくなった。家に閉じこもり、周囲との関係を絶った。それは家族6人の中での孤立を訴える姿だったのだ。祖父母は口やかましく、父はマイペースで、母は兄を可愛がり、妹の彼女は放ったらかし状態だった。その兄との愛情差別への抗議として、母に訴えたのだ。まず、食べ物の兄との平等、関心の向け方の平等、言われたことをすべて満たしてあげることをして対応したら、彼女は自分の進路を決め、その道に進んだ。
<事例その5 母と子の会話> 修行中
京都母親教室にて←参照して下さい
<事例その6 頭が噴火し続けている非行少年> 子どもは親のコピー
分析家の独り言←参照して下さい
あせらず、じっくり取り組めば必ず状況は好転します。まず、「オールOK!」で、子どもに接して下さい。
「オールOK!」とは、要求に対して敏速・適確に応えることで、決して、言われないことをする「甘やかし」や「溺愛」とは本質的に異なります。そこには承認と肯定が含まれ、自己愛を育てる基本があります。
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おわりに
母親は自分の理想を子どもに投影する。子どもは母のまなざしの中に映った、母が想い描いたイメージを自分の像として受け取る。本来自己像は、自分でつくるものである。こういう自分になりたいと自分の象徴界(言語)をもってつくった自己像であるべきである。
3歳は3歳なりに言語をもっており、これが欲しいという自己像がある。ところが、あれもこれもそれも欲しいと言うと、母は「どれか一つにしなさい」と言う。すると、子どもは1個を選ぶ自分が、親が自分に求めた自己像であると覚り、不本意ながらそれを自己像にしなければいけない。こうして、本当なら三つとも欲しいが、1個に限定する自己像としなければならなくなる。そうでなければ自分を受け入れてもらえないため、3個を選ぶ自分は排除される。
本来は、「3個欲しい」と言って、母が「いいよ」と言ったときに、子どもの欲望と母の承認により一致し、「私は3個欲していいんだ」となる。こうして、その欲求はOKですよと親に承認されることにより、子どもの健康な自己愛、自己肯定感をつくる。これも親のオールOKによる。
ところが多く親は、子どもが欲求を断念し、我慢したことに「我慢して良い子ね」と褒め、要求を断念することで報酬が得られるメカニズムが子どもの中にできる。それどころか、わがままだ、贅沢だと否定されたり、怒られることさえある。
そうして我慢強い子になっていく。しかしこの我慢の行き先は、抑圧されて欲求・欲望を表現できず、出せなくなる。こうして全ての欲望は断念させられる。このときこの子は「良い子ね」と言われるが、それは「あなたは死にました」ということと同じ意味である。
子どもが全ての欲望を断念したときから、親は子どもに「あれ買って」「これして」と言われなくなり、安心していられるため、喜ぶ。それを分析のように、「欲望を断念することはよくないから、もっと欲望を出しなさい」というと、世間からは非難される。
子どもが欲望を断念することに賞賛を与えて、不健康な自己愛を子どものなかにつくる。親が承認したもの=善、親が不承認したもの=悪であり、善悪のメカニズムが組織化されていく。それら親の対応によってつくられる。
では、断念した欲望はどこにいくのか?
我々は多くの欲望を断念してきた。断念した分だけ「良い子だ」と言われ、欲望を出した分だけ「わがままだ」と言われた。
断念した欲望は、意識上、記憶としてはなくても、感情と共にいつまでも心の中、無意識下に残り、しまわれる。そして断念した欲望の墓標とともに墓が立てられる。これが(夢分析において)夢で、嬰児の死体、バラバラの物・身体、肉片、腐った野菜として出てくる。
欲望を断念することは=自分を殺すこと。自分を生かすことは=欲望を出すこと=わがままな人間になること。このわがまま(世間ではこういわれる)な、自分を生かせる子どもにするためにオールOKをする。これを知らないで皆、子どもを殺している。
理性も抑制も我慢することも子どもが自分で学習することである。親から押し付けられたり、教えられるものではなく、抑制する精神を子どもが自分で学ぶのである。
与え続けられた人間は、「こんな私でも、親はここまでしてくれた、申し訳ない」という気持ちが発生する。この「申し訳ない」、「悪いな」と思う心が抑制する心をつくる。すると欲求がどんどん減ってくる。
親はそこまで子どもがいけるように、財産をはたいてでも与え続け、子どもの欲求に答え続ける。それくらいの気概でやらないと、子ども自らが我慢や抑制を学習することはできない。
「オールOK!子育て法」を少しでも理解して頂けましたでしょうか?
主に母と子どもの関係について述べてきましたが、最後に父の役割について述べます。
子どもの育成環境は、両親の夫婦仲がよい事が大前提です。母親はオールOK!して、子どもに優しく接する。父親は子どもに、ルールや社会性を教える。威嚇と暴力を使わず、行き過ぎたことに対しては、「これくらいにしておくように」と子どもを諭す。この優しさと掟を教えるある種の厳しさのコントラストが、子どもに「女性性」と「男性性」、「母性と「父性」を教えることになります。
ただし、子どもの精神の発達段階がどこかを見極めなければなりません。父が登場するのはエディプス期からです。それまでは母親と二者関係において、基本的信頼と自律性を学ぶことが先決です。基本的信頼や甘えと依存を体験し、満足を知らない上に規則や禁止ばかりを子どもに植えつけても、子どもの子どもの心は正常には成長していけません。
とにかく両親仲良く、協力して子育てしましょう。父親は仕事をしてお金を稼いでいるのだから、子育ては母親の役目という人もいますが、それでは困ります。父とは何か、父の役割とは何か?それを問われるのは、子どもに何か問題が起きた時かもしれません。
参考文献:父性の復権 /林 道義 著 /中公新書 (新書)
また、母子家庭であっても、お母さんはもちろんオールOKして、子どもに優しく接することです。父親がいないからと、お母さんが厳しい父親役までしてしまいがちですが、それでは子どもはかえって混乱してしまいます。父親がいなくても、社会が父の役割りはある程度してくれます。学校へ行けば先生や校則があり、悪いことをすれば注意を受けたり、罰を受けます。
そういう意味では、父子家庭の方が、子どもが育つ過程でリスクは大きくなってしまいます。
「オールOK! 子育て法」は、ひきこもりや非行、精神疾患などに陥った子どもを生き返らせ、人間らしさを回復させる子育て法です。子どもを、母性を持った母の元に返し、育てなおすのであり、その母性を翻訳したものが「オールOK!」です。ですから、子どもが親の元にいる限り、子どもがいくつになってもできます。お母さんのやる気次第ということです。
本サイトをご覧になって、興味をもたれたり、関心を持たれた方がおられましたら是非ご連絡下さい。(077-500-0479)ラカン精神科学研究所では、随時、「子育て相談室」「分析理論講座」を開催しています「メール相談」も受付けています(連絡先はこちらです)。少しでも、子育てや、教育に悩んでおられるお母さんの力になりたいと思い京阪神(京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市)や滋賀県大津市・福岡県福岡市を拠点に活動しています。
子ども達と一緒に幸福な人生を歩んでいきましょう。
付録その1:関連リンクのページ
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ラカン精神科学研究所の日々の活動や、所長宣照真理のコラム・事件分析などを記載 - 天海有輝のセラピー日記
インテグレーター名、改名前のブログです。(2009年1月より天海有輝から宣照真理に改名) - 吉川精神科学研究所(旧々サイト)
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付録その2:関連書籍(子育て)
<関連書籍>
- 生き延びるためのラカン /斉藤環 /バジリコ株式会社
- ライフサイクルの心理学上下 /ダニエル・レビンソン /講談社学術文庫
- 父と母と子、その愛憎の精神分析 /小此木啓吾 /講談社+α文庫
- 親から自分をとり戻すための本 /マーガレット・ラインホルド /朝日文庫
- 胎児は見ている /T・バーニー緒 /祥伝社 NON BOOK
- 正常と異常のはざま /森省一 /講談社現代新書
- 夫婦関係の精神分析 /ユルク・ヴィリィ /法政大学出版局
- 父性の復権 /林 道義 著 /中公新書 (新書)
付録その3:Webマガジン月刊精神分析&分析家ネットワーク
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