今週のメッセージ(平成20年8月11日)
何気ない風景
クライアントの家からの帰りに乗った電車のなかでのこと。
4人かけ席の前に、小さな男の子の兄弟を連れたお母さんと一緒になった。
上の子は4歳くらい、下の子は2歳くらいだろうか。
下の子はじっとしていない。
それを怒ることもなく、抱いたりあやしたりしている。
携帯電話をおもちゃにして、お母さんが「返して」といっても「いや」という。
それを無理やりとりあげることもなく、子どもが離すまで待っていた。
男の子のお母さんは大変だなと思いつつ、このお母さんはなかなか大したものだと思った。
天海有輝(宣照真理)
最新情報(母親教室の日程)・活動拠点
<最新情報>
ラカン精神科学研究所の最新案内はこちらをクリックして下さい。
↑*「オールOK!子育て法」を基調にした母親教室の日程を紹介しています。
<活動拠点・サービスエリア>
<滋賀県大津市唐崎>
ラカン精神科学研究所の地元です。琵琶湖の畔で大変環境がよいところです。
JR唐崎駅から歩いて5分のところにあります。
<京都府京都市>
京都には25年住んでおりました。私にとって第二の故郷です。
日本有数の観光地で、古来の文化が堪能できます。
<大阪府大阪市>
JR大阪駅までは、唐崎から湖西線で京都へ15分、更に、
京都から大阪まで新快速で30分で着きます。梅田駅周辺で母親教室も開催します。
<兵庫県神戸市>
大学が親和女子大学(神戸市)でしたので、4年間お世話になりました。
お洒落な街で、買い物するなら三宮がお勧めです。
<福岡県福岡市>
ご縁があり数名のクライアントさんがおられます。毎月4日間程出張しております。
トンコツラーメンやモツ鍋にはまってしまいました。娘は「からし高菜」が大好きです。
是非、来年は博多祇園山笠を見たいと思っています。
<東京都>
毎年8月、分析者サミット(インテグレーターサミット)が那須(栃木県)で開催されます。
その際、東京のクライアントさんと直接面談セラピー(カウンセリング)をしています。
日ごろは電話(Skype)セラピー(カウンセリング)を実施しています。
<その他>
交通費を負担して頂ければ、全国どこへでも出張致します。^^
自己紹介&このサイトを作った経緯
<自己紹介>
はじめまして。天海有輝(あまみゆうき)と申します。私は二女の母であると同時に精神分析家として、薬や催眠をつかわず、対話療法で心の病を治療しています。現在は、ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市)を主宰。日々の活動はこちらのブログ天海有輝のセラピー日記でご紹介しています。
<私の母としての悩み>
15年前、私も皆さんと同様に子育てに悩む1人の主婦でした。当時は、上の娘が8歳、下の娘は5歳、私は35歳。
私は、母との関係が上手くいかず「自分の母のようにはなりたくない」と思いながら、2人の娘を育てていました。ところがある時、気が付いたら結局、自分は母と同じことを娘達にしている事に気が付いて愕然としました。子どもを優しく伸び伸びと育てたいと思いながら、「ああしなさい、こうしなさい」と命令指示し、子どもも私も疲れ果てていました。自分は、子どもの為と思い、一日中、口やかましく言っているのに、子どもの表情はけして明るくはない。一体どうしたらいいのだろう…と悩んでいました。
そんな時、私の精神分析の師匠である大沢先生に出会いました。大沢先生に「子どもが何をするにも遅くて困ります」と相談したところ、先生は、私に「それは、あなたが後でね、という言葉で育てたからです」と言われました。事実その通りでした。我が家は当時、店をしていて、「お客さん」と呼ばれれば、子どもの事は放っておいて店に出る。子どもの事はいつも後回し。なんで見てもいないのにわかるのだろう?と思いました。

<オールOK!との出会い>
そんな大沢先生から、子どもへの対応法として私に指導されたのが「オールOK」です。
簡単に言うと「子どもの言う事に全てOKし、待った無しに言われた通りにすぐ動く事」・・・。
もし私が子どもなら、そうされれば嬉しい事はわかる。でも私には到底出来ない。なぜなら、私はそれとはまるで反対の育ち方をしたから。「やりたくても自分にはできないと思い」大沢先生との関係を断ちました。
しかし、それから半年間、私は、悩みながら図書館で育児書を読みあさりました。しかし結局、本にも大沢先生が言ったような事しか書いていない。やはりそれしかないのか…。意を決して大沢先生の元を尋ね、精神分析を受け始め、その2年後、精神分析の理論を学び始めました。
<今の私と娘達>
それから15年が経ちました。途中、上の娘は2年弱私と口をきかない事があったり、下の娘は中学の半分を不登校したりもしましたが、私と娘達との関係は、私が目指した様に、私と母との関係とは違うものになりました。^^

お蔭様で、上の娘は服飾関係の専門学校に学び、下の娘は成人式を迎え、私は精神分析家として独立開業10年目を迎えて忙しい日々を送っています。
精神分析家として、日々、お母さん方の子育ての悩みを聞く中で、私が大沢先生に教えを受けた子どもへの対応法を「オールOK!子育て法」として紹介したのがこのサイトです。
そもそも子どもとは、どう育つのか?どう育てるべきか?精神発達論からお話します。
それから、具体的な事例、実践方法や、母親教室・子育て教室で、よく聞かれる質問やQ&Aもご紹介します。
もっと深く学びたい方の為に「母親教室」「分析理論講座」を開催しています。少しでも、子育てや、教育に悩んでおられるお母さんの力になりたいと思い滋賀県大津市唐崎、京阪神(京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市)や福岡県福岡市を拠点に活動しています。このサイトご覧になって興味・関心を持たれた方は是非ご連絡下さい。子ども達と一緒に幸福な人生を歩んでいきましょう。
平成20年4月28日
ラカン精神科学研究所の連絡先はこちらです。
精神分析家 天海有輝(あまみゆうき)
「オールOK!子育て法」とは?
<子育ての方法>
これまでいろいろな育児法、子育て法がちまたで言われてきました。
うつ伏せ寝がいいとか、抱き癖がつくのであまり抱かない方がいいとか、一人っ子は我がままになるから良くないとか、一姫二太郎がいいとか、戦争時代には産めよ増やせよとも言われました。
その時代によって、様々な事が言われましたが、結局これといった子育て法がなく、殆どのお母さん方はわからないまま迷いながら、手探りで子育てをされている様に思います。
事実、子どもがまだ赤ちゃんの頃、私もどうしていいのかわからず母に聞いたこともありましたが、「もう昔の事でわからない」と言われました。
私が精神分析を受けながら知った「オールOK!」という子育て法は、精神発達論からみた理論的裏付けをもつ育児法です。
私自身も娘たちに実行し、また子育てに悩む親御さんたち(非行や家庭内暴力、不登園・不登校、ひきこもり等)に話し、実践してもらいその正しさを実感してきました。
何か子どもに問題があっても、親の元にいるなら、子どもがいくつになっても育てなおしはできます。
その方法が「オールOK!」です。
<子どもを産む意味>

私が子どもを産んだ理由・・・精神分析を受ける前の私は、「子どもが好きだから子どもが欲しくて産んだ」と思っていたのですが、精神分析を受けわかったことは、自分の思い通りに動く子どもが欲しかったのでした。
それは、自分が母の思い通りに動かされた、主体性を持たない自分であった為で、自分の無意識は間違いなく、母が私にした通りの事を娘にしていたのです。私は、精神分析を受けて、初めてこの誤りに気付きました。
自分とその母の関係は、子どもと自分の関係に置き換えられます。私が子どもをどう見るか、そのまなざしは、かつて母が子どもであった私を見ていたまなざしと同じはずです。
女性にとって、子どもを産み育てる意味は2つあります。
- 育児を通して自分を振り返るため。我が子を世話し、育てながら、きっと自分の母もこうして自分を世話し育てたのだろうと、自分の育てられた過程を想像し、自分を知る手がかりとなる。
- 自分を理想的に育てなおす為。母は100%良い母ではないため、不適切であったり、人によっては子どもを叩いたりした。子どもとして傷ついたり、不満・欠如を持って生きてきた子ども時代の自分がいる。それを今度、自分の子どもを理想的に育てる。そうすることで、自分を理想的に育てなおすことにもなる。
関連記事:妊娠協定を結んだ米女子生徒
<オールOK!とは>
オールOK!ですから、子どもの言うこと、要求には全てOK!します。子どもに言われない事は基本的にしませんが、わからない事は聞きます。そして「ダメ」と言わないでください、と言います。すると大概の方が、「そんなに我がままにしていいのですか」と言われます。このことについては、後で説明していきます。
しかもこの後に、「敏速かつ適確」に「一貫」して対応する事、という事が付け加えられます。「後で」ではなく、できるだけ「今すぐに」要求に応えます。それも的確に。敏速さと適確さを欠くと「オールOK!」の意味が欠けます。
例えば、子どもが「ジュースが欲しい。ジュース取って」と言います。お母さんは、用事をしていると「後でね」と言いますが子どもは今欲しいのです。ですから、用事の手を止めてジュースを取ってあげます。
また、「ジュースは甘くて虫歯の原因になるため、お茶にしておきなさい」と言ったりします。これでは、適確さに欠けるわけです。子どもが「ジュース」と言ったら、ジュースを出す事が、適確な対応です。更によくあるのは、子どもが「取って」と言っているのに、「自分で取りなさい」と言うお母さんがいます。これも敵確ではありません。「取って」と言っているのですから、取ってあげてください。
これが「オールOK!子育て法」の具体的例の一つです。
次のページでは、なぜ「オールOK!」が子育てに有用なのか?「精神発達論」を根拠に説明します。
精神発達論(理論的裏付け)

「オールOK!子育て法」のベースとして、「精神分析学」があります。精神分析はフロイト(オーストリアの精神科医)によって創始されました。フロイトは人の性的発達段階を説きました。ここでは、育児・子育て・教育的な側面から、少しだけ精神発達論に触れてみます。詳しい説明は関連ページにリンクを用意しました。興味のある方はご覧になって下さい。
<胎生期> 胎児

胎児の研究が進み、胎児は母親のお腹の中で、母の感情や母体の周りの状況をキャッチしていることがわかってきました。
胎内記憶は確かにある。あるクライアントの4歳になる女の子が、突然「お母さんのお腹の中で泣いていた」と言った。事実、お母さんは結婚しこの子を身ごもっていたが、夫の仕事が忙しく休日も仕事で家にはおらず、妻であるこのお母さんは寂しくて一人泣いていたという。女の子は、お母さんのお腹の中で、母の悲しい感情を感じていたのであろう。
一般的にも「胎教を考え、心の落ちつく音楽を聞きましょう」といわれるように、十月十日母親がどういう気持ちで、わが子を想い過ごすかは大変重要なのである。
残念ながら産まれる前から存在を否定されている子もいる。何らかの問題で来所されるお母さんに必ず聞くのは、「そのお子さんは、あなたが欲しくて産みましたか?望んで産みましたか?」という事。その時、多く聞かれるのは、「(例えば三番目の子で)もういらないと思っていたのに妊娠してしまい、堕そうかと思ったが仕方なく産んだ」というもの。最初に存在を否定された事実は、その子の意識上の記憶にはなくても、無意識下には全て記憶されている。そいう子が後に何らかの形(ひきこもり、非行、神経症等)で叫ばないわけがない。
例え胎生期でも、赤ちゃん(胎児)にとって「母からの承認」は不可欠なのです。まずお母さんが生まれて来る前の赤ちゃんを「OK!」して下さい。
いわゆる「できちゃった婚」は、親となる心構え・覚悟、子どもを産み育てる条件・環境が整っていない。それらをしっかり整えた上で妊娠することが望ましい。
関連リンク:分析家の独り言120(胎内環境・出産)
参考文献:胎児は見ている /T・バーニー緒 /祥伝社 NON BOOK
<口唇期(おおむね出生時から1.5歳まで)> 乳児: 1歳に満たない子供

精神分析学の創始者フロイト(が唱えた人間の発達段階の最初の段階。
この時期は、乳児にとって口と唇の刺激が心地よく、それにより快感を得ている。乳児には、しゃぶるという行為が「満足感」をもたらす。人間の発達において満たされる・・満足すると言う事は大変重要なキーワードであり、欲求が満たされないと種々の弊害を生む事になる。
この時期は、母親による授乳の時期と重なる。乳児にとって、「授乳」はただ単に生命を維持する為の栄養摂取という行為だけに留まらず、母がどういう気持ち、環境で授乳したかが重要になる。それには、わが子を愛おしいと思い、アイコンタクトを取りながらゆったりとした気持ちで授乳することである。クライアントの中には、テレビや本を見ながら授乳したという人もいる。これでは、子どもは満足しない。
乳児は、母による授乳が満足のいかないものであると、欠如感をもち、後に口や唇の刺激にこだわるようになる(口唇期固着)。それは後に飲酒・喫煙、薬物依存などの行為となる。
最近、有名女優の子どもが覚せい剤に走ったというニュースが世間を騒がせます。実母である女優が忙しさの余り、きちん愛情を込めて授乳をしなかった為ではないでしょうか?
子どもは、この時期母の適切な世話により「基本的信頼」を得る。それが得られないと、反対に「基本的不信、基底不安(いつも何をしても不安的感情)」を持つようになる。
「オールOK!」することは、子どもの自我を認めること、自己肯定感をつくること。まず母親に何でも受け入れてもらい、母との間に信頼関係を築くこと。それがなく否定され、拒否され、怒られ叩かれたのでは、恐くて人と関係を結べない。この基本的信頼を築くのが、口唇期の時期です。
関連リンク:分析家の独り言121(分析理論講座・口唇期より)
<肛門期(おおむね2歳から4歳頃まで)> 幼児期(前期)

「三つ子の魂百まで」というように、人間の基本的精神構造は3歳までにかなりの部分が出来上がる。この時期母親がしっかり抱いて、愛情もって世話することが大事である。
この時期、離乳と共にトイレット・トレーニングが始まる。これまで乳児は好きな時に、好きなところでオムツの中に大・小便をしていられた。ところがトイレット・トレーニングにより、母との権力闘争が始まる。母の言うことを聞けば誉められるが、逆らえば叱責される。どちらを選ぶかを決めなければならない。これが人間にとって最初に求められる「自律性」である。
この時に、母があまりに厳しく叱ったり、潔癖で常にオムツの中をチェックしたり、または過剰にだらしなくて、オムツがいつまでも濡れていても換えなかったりすると、子どもは、「肛門期性格=マルバツ式性格(オールオアナッシング)」となる。
肛門期性格は、世界をマルバツ式に2分化する。対立するテーマを統合できず、極端な一面しか表現できない偏執的行動化へといたる。例えば、支配と服従、不潔と清潔、勝ちと負け、などである。
更に、両親の処罰恐怖から、課題を間違えないように何度も繰り返す「強迫性格」と、それに拘る「執着性格」に支配される様になる。
母との「分離・独立」を目指しつつ、母への再接近を試み、母に呑み込まれるでもなく、見捨てられるでもない、母との程よい距離や関係を反抗という形で再構築するのが、肛門期の適切な心の発達である。
お母さんは、母性を発揮し、母港、母星となって、子どもが程よい距離や関係を構築できるように、いつでも子どもを迎え入れ「オールOK!」してください。
関連リンク:分析家の独り言123(無意識を知る1)
関連リンク:分析家の独り言125(オールOKが子どものエネルギーとなる)
関連リンク:分析家の独り言131(人は誤解からはじまる)
<エディプス期(男根期)(おおむね4歳から7歳頃まで)> 幼児期(後期)

これまで、性別の違いによる発達の性差は殆ど無かったが、この時期から性差がはっきりとしてくる。まず子どもに「ペニスがついている」「ついていない」が意識される。
男児は、父を亡き者にして母と結婚したいと願う。しかしこの想いを父が知って、処罰されるのではないかという不安=「去勢不安」や、罪意識を抱く。この異性の親への愛着と同姓への親への敵意・競争心を中心に発達する観念複合体を「エディプス・コンプレックス」という。
正常な発達の場合は、男児は父に同一化し、男性としての自己を確立する道を歩む。
女児は、力の象徴であるペニスが自分にはついていないことにがっかりし、父に欠けているペニスをつけてもらいたいと思うと同時に、父に強い憧れと羨望を抱く(ペニス羨望)。男児の去勢不安とは対照的に、女児はペニスを持たない母に失望し、ペニスを持たない自分を生んだことに怒りを感じる。そして、愛着対象が母から父に移行する。
女児の母は、女児が愛着を感じる父に愛される存在であれば、女児はペニス羨望を放棄して、母に同一化し、その女性性を獲得する道を歩む。
<潜伏期(学童期)(おおむね6歳から13歳頃まで)> 小学生

精神的には比較的平穏な時期で、就学を通して勤勉さを身につける。それに失敗すると劣等感を抱いてしまう。この時期「オールOK!」することで子どもらしさ(甘え、活発、言いたいことを言うなど)を発展していく。
子どもへの否定・拒否が多いと、親の顔色をうかがいながら良い子を演じていく。その歪みと無理が青年期になって一気に噴出し親や周りを困らせる行動をとる。それもとらなければ、さらに先送りとなり、生きにくさを感じ、楽しめないと訴え、分析を受けに来るクライアントは多い。
関連リンク:分析家の独り言124(決められないあるひきこもりの青年)
<青年期(12歳以降)> 中学生以降

潜伏期は泥水の入ったビーカーを静かに置いてくと、泥が底に沈み、上澄みは透明な水になるような状態。12歳以降の青年期、思春期は、その泥水をかくはんした状態で、体の変化とともに、まだ子どもでいたい気持ちと、大人の世界へ行きたい気持ちの間で揺れ動く。これまで大人の言うことを比較的素直に聞いていたが、このまま自分は親や大人のいう事を聞いていて大人になれるのだろうか?とか、おぼろげながら自分の将来を展望し始め様々なことを考える。これこそが「思春期」であり、自我の確立、アイデンティティ(自己同一性)確立の時期である。
この時期、自室にこもってあれこれ考えることも大事で、そこに親がああだこうだ口を出すと、ゆっくり考えられない。親とも距離をとり始め、口を開けば「ご飯」「お金」「お風呂」「寝る」くらいのことしか言わず、母親は子どもに言われたことを正確に聞き、家政婦のごとく身の回りの世話をすること。子ども時代には絶対的存在であった親を乗り越えていくため、親を馬鹿にし、反抗し、「くそババア、死ね」くらいのことは言う。これが正常な発達のサインである。いつまでも偉大な親であり続けたのでは、子どもは成長できないので、特に母親は子どもの成長のための踏み台となってやる。そのために「オールOK!」していくのである。
<オールOK!のまとめ>
母親教室で学んでいるお母さん達も、教室にきて質問し、説明を聞くと、「ああそうだ。またオールOK!しよう」と思うが、いざまた子どもを目の前にすると、できる時とできない時があり、迷いだすという。頭ではわかるができない。それはお母さん自身の養育体験上、オールOK!してもらいたかったが、してもらっていないため、無意識に子どもの要求をはずしてしまうのである。
事実私も、意識では子どもに「オールOK!」しようとしても、どうしてもできなくて、そのことにまた落ち込むことが多々あった。
しかし、めげずに、オールOK!を続けると、子どもは満足して自立していく。「こんな私に親はここまでしてくれた、申し訳ないと」感謝の気持ちを持つ。親も散々子どもに振り回され、世話したため、子どもの自立を心から喜べる。そうでない場合は、子どもが自分たち親を見捨てて出て行くように感じ、親は無意識に子どもの自立を引き止めてしまう言動をとる。これは所謂、子離れしない親であり子どもの自立を阻んでしまう。子どもも自立し、親も自立する。これがあるべき姿の親子関係である。
次のページでは、「オールOK!子育て法」のよくある質問(子育てQ&A)を紹介します。
よくある質問(子育てQ&A)
お母さんからのよくある質問と回答集です。随時追加してまいります。
Q1.オールOKすると、子どもが我がままになりませんか?(実践方法)
「オールOK!」するとわがままになるのではないかといわれるが、子どもがわがままでないことが問題である。わがままでないため、自分の本当の気持ちを言わない、言えない。それは子どもが親の顔色を見て配慮している。これでは親子の立場が逆転していて、親が子どもに甘えていることになり、子どもの心は育たない。「オールOK!」をすることで、子どもが安心して親のふところに飛び込める環境をつくるのである。これを言ったらまた何か言われるんじゃないか、どうせだめと言われるだろうと思ってしまった子は、親に反抗しない、言われるままに動くおとなしい、いい子になってしまう。これを世間一般で「良い子」という。大人や親にとって扱いやすい、都合の良い子である。自分というもの、主体性を持てないで育った子が、後に不登校や、ひきこもりとなったり、生きにくさを感じたり、様々な精神病理をあらわすようになる。
・Q1-1 オールOKという事ですが、どこまでOKなのでしょうか?子どもが夜遊びして帰宅しない。
・Q1-2 オールOKという事ですが、いつまでOKするのでしょうか?子ども(中卒)の非行で悩む。
・Q1-3 親がNGを出してしまい、子どもの欲求が満たされないとどうなるの?福岡での母親教室より。
・Q1-4 オールOKやればいいと思うのですが、実際にやろうとすると出来ません。分析家の独り言より。
・Q1-5 子どもがオヤツばかり食べたがります。OKしていいのでしょうか?分析家の独り言より。
・Q1-6 お金がかかる要求にもオールOKしていいのでしょうか?分析家の独り言より。
・Q1-7 Q1-6への質問&回答。分析家の独り言より。
Q2.私は子どもに「オールOK!」をやってみたいのですが、夫が認めません。私だけでも「オールOK!」したほうがいいのでしょうか?(家庭環境)
両親そろって「オールOK!」するのがベストですが、とにかくお母さんだけでも「オールOK!」してください。盾となって母親が子どもを守りながら、ご主人との調整をはかってください。私は、そういう場合、可能であれば両親そろって来所してもらい、ご主人に説明し、「オールOK!」を理解して、協力してもらうようにしています。
・Q2-1 詳しいことはこちらを参照してください(過去の詳しい回答例です)。
・Q2-2 オールOK!してくれた父 分析家の独り言118 より
Q3.子どもから「暴走族に入りたい」「バイクを盗んだ」と聞かされました。そんな時でも子どもの話を穏やかに聞いていいのでしょうか?(子どもとのコミュニケーションについて)
もちろん穏やかに聞いてください。慌てふためいて、子どもを責めたりしない事です。子どもはそれを言うことによって、親の反応を見ているのです。しかし、もちろんして良いことと、悪いことはあります。
なぜ暴走族に入りたいのか、バイクを盗んでまで乗りたいのかを聞いてみてください。
子どもは、聞いても、素直に答えないとは思いますが、子どもの言う事を、頭から否定するのではなくまず聞いて下さい。それは、子どもに「子どもの気持ちを理解したい」と思っていることを伝えるためです。
そして、お母さんとしては、あなたの体が心配だから、暴走したり、バイクを盗むことはやめて欲しいと伝えれればいいと思います。
親業(トーマス・ゴードン)の考えの中に「私メッセージ」というのがあります。
この場合、「貴方は○○をしてはいけません」という表現ではなく、「私は○○して欲しくない」というように、「私」を主語にして話すというものです。これは命令形にならず、お母さんの思いを伝えるので、子どもの心に届きやすいと思います。思春期に荒れている子どもたちは、命令されること、上からものを言われることをいやがります。
・Q3-1 不登校の子どもが「することがない」と言って泣く(母親教室より:育てなおし)
・Q3-2 食事の時はテレビを消して(分析家の独り言より:家族団欒)
Q4.子どもの部屋が汚くて、「片付けなさい」といっても聞きません。どうしたらいいでしょう?(子ども部屋=子どもの精神内界)
まず第一に、子どもに無断で部屋に入ってはいけません。部屋はその子の精神内界ですから、そこに土足で踏み込むようなことになるからです。
よくあるのは、部屋が汚いから子どもが居ない間に勝手に掃除をするお母さんです。必ず子どもに聞いて了解を得てから部屋に入る、掃除をすること。当然、子どもが「入らないで」と言ったら、入ってはいけません。
部屋が片付かないということは、その子の心の中が整理がつかず、混沌としているということです。思春期は皆そうです。それを無理やり片付けさせたり、親が片付けても意味がありません。心が穏やかになってくれば、自然と部屋は片付いてきます。それを待ちましょう。
・Q4-1 子ども部屋は自我を育む為に必要
・Q4-2 関連記事紹介:勝手に部屋に入られ引きこもりの息子激怒。父を撲殺
Q5.世間を騒がす大事件、あの事件の容疑者は育てられ方に問題があったのでしょうか?(精神発達論)
・Q5-1 福島17歳母親殺害事件
・Q5-2 京田辺市16歳二女、警察官の父殺害事件
・Q5-3 今話題の沢尻エリカさん
・Q5-4 亀田家の問題について
・Q5-5 三田圭子さんの次男覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕
・Q5-6 守屋前次官夫婦で逮捕
・Q5-7 長崎県佐世保市、散弾銃乱射事件
・Q5-8 八戸18歳母子殺害事件
・Q5-9 親族2人強殺 松村被告
・Q5-10 秋葉原通り魔事件
・Q5-11 秋葉原通り魔事件(その2)金谷氏今月のメッセージ平成20年6月より
オールOK!子育て事例
<事例その1 子どもの非行> 中学の途中から荒れだした息子
悪い仲間とつるんでお金を持ち出す。その額が半端ではなく、月に100万を越えることもあった。そのお母さん(文中以下Aさんと称)と、親と子の教育センターで開かれる「子の非行に悩む親たちの会」で出会った。当研究所で開いている「母親教室」を紹介し、よければ来てみませんかと声をかけた。
最初にAさんと話をしたとき、私は「息子さんは普通分娩でしたか?」と、息子さんの出産時の状況を聞いた。Aさんは「早産で、難産でした」と答えられた。私はやっぱりと思った。ちょうど理論を学んでいた頃で、母体の心の状態が安定していればそれは普通分娩に集約される。何か出産時に問題があったと言う事は、母体の心がストレスのまにまにあった可能性が考えられる。(事実後から聞くと、Aさんは妊娠中出産後も仕事が頭から離れなかったとの事)その時から既に、子どもは傷付いている。それが後に何らかの形で、行動で出てくることがある。後から聞くと、Aさんは「こっちは大変な毎日を過ごしているのに、普通分娩かどうかなど何の関係があるの?」と思われたらしい。
その後、Aさんは母親教室に通い、「オールOK!子育て法」を学び実践し、見事3年を過ぎる頃から、Aさんの息子さんは悪い仲間との関係を絶っていった。今は夫として、父として、もちろん社会人として立派にやっておられる。
Aさんいわく、「私は今2度目の人生を生きている」「人は生きなおせるんですね」と言われた。
<事例その2 引きこもり> 高校中退から引きこもりへ
お母さん(文中以下Bさんと称)からの依頼を受けて20代男性のお宅へ伺った。
Bさんの息子さんは、私が話しかけても、虫の鳴くような声で「はい」と「いいえ」を言う位で会話が成立しない状態だった。殆ど家から出る事はなく、いわゆる「引きこもり」の状態。
なぜ、この様な状態になったのかと言うと、Bさんが全く息子さんに関わっておらず、ほったらかし状態の為。小中学校はなんとか通ったものの高校中退。引きこもり状態に入る。
ただ、歯科医院にだけは通院していた。その歯医者での治療も終わり外に出る機会がなくなった時、Bさんは息子に、「せめて分析を受けるために当研究所へ出向くようにしてはどうか」と言われた。当然私は本人の意思を確かめた。「来られますか?」と。しかし本人は「外出したくない」と言う。私はBさんに「オールOK!子育て法」を話し、「彼が行くと言うのならそれはいいが、出たくないと言っているのですから、まだ無理はしないでおきましょう。本人が出たいと思うようになったら、行くなと言っても出て行きますから」と言った。
それから、私は、精神分析家(カウンセラー)として月に数回、Bさん宅に伺い、息子さんに対して辛抱強く対話療法を施した。息子さんは、私が関心を向けるのが嬉しいらしく、徐々に私との会話が出来る様になった。つまり。私は実母Bさんの代わりに母になり息子さんに「オールOK!子育て法」を実践したという事です。
それから2年が経ち、Bさんの息子さんは、音楽関係の教室2つと、スポーツジムに通うまでになった。無理をさせないで、本人の意思を尊重し、彼のペースに合わせていく、これももちろん「オールOK!」の一つである。
<事例その3 夜尿の5歳男子> 夜尿症
両親の第1子として生まれ、可愛がられたが、夜尿がひどく止まらなかった。
これは、反抗のサインであることを母に告げてオール OK=すなわち『言われたことを、言われたとおりに、敏速・適確に行う』ように対応を指示した。子どもの要求は、おもちゃ、お菓子だけでなく、一緒に遊んでくれることもその一つである。その対応に最初は戸惑い、苦慮したが、次第に慣れて、いつしか母は子どもの要求どおりに対応できるようになっていた。その頃、子どもの夜尿は月に1度ほどに減っていた。
<事例その4 不登校の15歳女子> 不登校
彼女は高校に入ってから、友達関係を理由に学校に行かなくなった。家に閉じこもり、周囲との関係を絶った。それは家族6人の中での孤立を訴える姿だったのだ。祖父母は口やかましく、父はマイペースで、母は兄を可愛がり、妹の彼女は放ったらかし状態だった。その兄との愛情差別への抗議として、母に訴えたのだ。まず、食べ物の兄との平等、関心の向け方の平等、言われたことをすべて満たしてあげることをして対応したら、彼女は自分の進路を決め、その道に進んだ。
<事例その5 母と子の会話> 修行中
京都母親教室にて←参照して下さい
<事例その6 頭が噴火し続けている非行少年> 子どもは親のコピー
分析家の独り言←参照して下さい
あせらず、じっくり取り組めば必ず状況は好転します。まず、「オールOK!」で、子どもに接して下さい。
「オールOK!」とは、要求に対して敏速・適確に応えることで、決して、言われないことをする「甘やかし」や「溺愛」とは本質的に異なります。そこには承認と肯定が含まれ、自己愛を育てる基本があります。
<天海有希のセラピー日記より> オールOK!関連
- 下記記事へのリンク集です。どうぞご覧になって下さい。
- 分析家の独り言 21 (人生を楽しむ)
- 「非行」と向き合う全国ネット学習会 子どもの“荒れ”と向き合う に参加して
- 京田辺市16歳二女、警察官の父殺害事件
- 分析家の独り言 20 (なおざりにされる授乳行為)
- 分析家の独り言 19 (自分を活かす)
- 分析家の独り言 18 (夜回り先生の講演を聴いて)
- 分析家の独り言 16(超自我について)
- 分析家の独り言 14 (心的外傷PTSD)
- 分析家の独り言 13 (振り返って想うこと)
- 分析家の独り言 8 (中国新聞 社説より)
- あるうつ病クライアントの症例
- 分析家の独り言 7 (認めて、誉めて、正しい関心を向けて)
- 分析家の独り言 6 (小野田正利氏の講演を聞いて)
- 分析家の独り言 4 (摂食障害について)
- 分析家の独り言 3 (母親として娘に)
母親教室・各種講座のお知らせ
<母親教室>
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<分析理論講座>
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<インテグレーター養成講座>
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<メール相談>
メール相談はこちらで受け付けています。
おわりに
「オールOK!子育て法」を少しでも理解して頂けましたでしょうか?
母と子どもの関係について述べてきましたが、最後に父の役割について述べます。
子どもの育成環境は、両親の夫婦仲がよい事が大前提です。母親はオールOK!して、子どもに優しく接する。父親は子どもに、ルールや社会性を教える。威嚇と暴力を使わず、行き過ぎたことに対しては、「これくらいにしておくように」と子どもを諭す。この優しさと掟を教えるある種の厳しさのコントラストが、子どもに「女性性」と「男性性」、「母性と「父性」を教えることになります。ですから、お父さんにも頑張ってもらって子どもに父性を教えて頂かなくてはなりません。
参考文献:父性の復権 /林 道義 著 /中公新書 (新書)
「オールOK! 子育て法」は、ひきこもりや非行、精神疾患などに陥った子どもを生き返らせ、人間らしさを回復させる子育て法です。子どもを、母性を持った母の元に返し、育てなおすのであり、その母性を翻訳したものが「オールOK!」です。ですから、子どもが親の元にいる限り、子どもがいくつになってもできます。そういう意味では、お母さんのやる気次第です。
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子ども達と一緒に幸福な人生を歩んでいきましょう。^^
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付録その2:関連書籍(子育て)
<関連書籍>
- 生き延びるためのラカン /斉藤環 /バジリコ株式会社
- ライフサイクルの心理学上下 /ダニエル・レビンソン /講談社学術文庫
- 父と母と子、その愛憎の精神分析 /小此木啓吾 /講談社+α文庫
- 親から自分をとり戻すための本 /マーガレット・ラインホルド /朝日文庫
- 胎児は見ている /T・バーニー緒 /祥伝社 NON BOOK
- 正常と異常のはざま /森省一 /講談社現代新書
- 夫婦関係の精神分析 /ユルク・ヴィリィ /法政大学出版局
- 父性の復権 /林 道義 著 /中公新書 (新書)
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